同じことを繰り返さないという説得力が必要

Filed in まじめな話

先日テレビで雇用問題での議論を見ました。
こんなことを言っている人がいました。
「路頭に迷ってる人の自己責任だとかそういうことはもういいじゃないですか。今目の前で困っているこの状況を何とかしないといけないんです。」(言い回しは違うかもしれませんが、大意は同じです。)
言っていることは分かります。確かに目の前の困っている人たちを何とかしなければいけません。ここを放置することで起こることのいくつかは容易に想像できます。
その中でも私が最も気にしているのは治安の問題。既に職を失ったことを理由にしたいくつかの犯罪が起こっています。まだこの程度で抑えられているのは、派遣村や各所での炊き出しなどでなんとか食べていけているという理由もあると思われます。
治安が悪くなれば暮らしにくくなりますが、そうなったのは放置し続けた自己責任と言われることが将来あるかも知れません。


ですが、今の事態の責任を追及しなくてもよいなどということはありえません。
責任の追及、つまり動機的要因の追及なくして再発の防止は不可能です。
政府にも責任の一端はあるでしょう。企業にも責任の一端はあるでしょう。しかし、各個々人にだって責任はあります。そして同じ社会に暮らしていながら同じ状況に陥っていない人たちは大勢います。そういう人たちから見れば、どんなに理屈をこねたところで政府や企業の責任以上に自己責任だという声は消えません。
そこで自己にある責任を顧みることもせず、手厚い支援を受け、また再び同じことを繰り返す。そうなったら、またか、やっぱりそうか、どうしようもないな、と思われて終わりです。
そうならないためにも自己の責任は責任と認めた上で反省をすべきです。そこまで辿りついてようやく政府や企業を批判できる立場になったと言えるのだと思います。
そして、同じことは繰り返さないという前提のもとで支援を求めるべきだと思います。
それならば、すべての人にとって(消極的な意味ではあっても)利があるわけだから支援に反対する声も減るのではないでしょうか。

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